静岡・長野・富山旅行
おはこんばんちは。
でっちうでございます。
今回は、最近の旅行に関して語ってみます。忘れない内に。今回は書き散らかしていますが、ご容赦を。
まずはおさらいでございます。
おさらい
初回のエントリーにて、写真を見つめ直し、その復活戦の場として旅行を選んだことをお話しました。今回は仲間の良い表情をバシッと撮るのだと断固たる決意をした私。目的地は静岡、長野を経由して富山。張り切って行きましょう。
アバウトなおさらい終了、以下詳細。
旅の目的は
神奈川、静岡、長野、富山。激シブルート。これにはきちんと目的があります。ズバリ
以上。いきなり余談ですが、動機はシンプルな方がモチベーションが持続する、と信じて生きております。
さて、参加メンバーは
でっちう(フューエルコンシューマー)
ヤのつくおじさん(アイドル)
ちゃいこ(コマンダー)
ちゃいこ同居人(コーディネーター)
花本(ディレクター)
以上5名(敬称略)。
なぜトロリーバスかと申しますと、日本唯一のトロリーバスが今年で最後とのこと。ディレクターの意向により是非とも行きたいとのこと。そうか。わかる。よし行こう。ちなみに"にわか"ですので、トロリーバスそのものに関しては深く語りません。あくまでも、ごく平凡なクルマ好きとしての感想を述べます。
一日目(September 14th, 2018) 御殿場泊
一日目は金曜日。日中はお仕事。
夕刻、仕事終わりの一行は神奈川県某所に集合。唯一人、ヤのおじさんは残業により出発が遅れたため県内での集合を断念し、電車で現地へ移動、合流と相成りました。他のメンバーが集合後にこれが決定する柔軟性。素晴らしい。だいたいどうにかなる。
出発時刻は20時過ぎ。天候は生憎のガチ目な雨。
まずは東名右ルートを西へ走ります。雨で濡れた路面で車のライトは反射しまくっているし、トラックの巻き上げた水飛沫でほとんど前が見えません。橋のジョイントではクルマは滑るし、みんな乗せてるから、ドライバーでっちうは気が気じゃなく・・・危険が危なかった。
お決まりの海老名で休憩・夕食を挟み、御殿場駅でヤおじと合流し、宿に到着したのは23時過ぎ。
これがまた非常に良い宿でした。部屋は広いし、無茶苦茶安いし、完全に他の宿泊者と隔離されているので、夜中も気にせず騒げます。大人の修学旅行感。お酒飲んで歌ってても先生に怒られないしね。しかも一人あたり500円のクーポンもついてきて、売店・フロントは24時間営業。最 of 高。
朝が早いからって言ってるのにみんな寝ないのよね。夜更かしは楽しいです。3時過ぎまで起きていた模様。
ちなみに私はすっかり寝落ちて聞いていないのですが、ヤのつくおじさんは初日から寝言で迷言を残しています。
「実際謎の道あるよな」
どんな夢見とるんだろうか。
二日目(September 15, 2018) いざ黒部
本日が主役でございます。
朝早いことは知りながら遅くまで駄弁った我々。7時位に起きた気がします。結構眠かった。天気は変わらず雨。しかしながら、多少雨が弱まったため、過ごしやすい、かも。
8時に出ようとしましたが、まあ無理。二日目の宿(というかバンガロー)で就寝時に使うシュラフがないため、まずはホームセンターへ買い出しに向かいます。9時半の開店だったため、ちょうど良い感じではありました。ホムセンを出るか出ないかのタイミングで、宿から電話。スマホとモバイルバッテリーの忘れ物があるとのことです。ヤのつくおじさんの忘れ物でした。1マス戻る。
一旦宿に戻った我々。結構時間がマズイということで、東富士五湖道路→中央自動車道→長野自動車道と、寄り道せずに一目散に黒部へ向かいます。寄り道せずにね。真っ直ぐ。
寄り道して安曇野で"おやき"やわさび漬けなど買った夢を見ましたが、美味しかったです。ハチャメチャに安いです。
ここからが本番。(空吹かしの夢も見ました)
ここは本当に寄り道していないので中略。到着しました。相変わらずの雨。マイカーで行けるのは関電トンネルトロリーバス扇沢駅までですが、それでも結構登らされます。標高1433 mだそうで。バイクで行くと気持ち良さそうな道でした。
ソースは公式、路線図はこんな感じ。
いざ乗り込み。悪天候ということもあり、大観峰まで登ってもガスっていて見えないとの情報があり、今回は黒部ダムで折り返します。でも、その分ダムに時間をかけて全力投球できるよ!
温度計曰く18℃。今夏の酷暑に飼いならされた我々の身体には寒いレベルです。
車内の様子は普通のバス。私はバスに乗る機会が少ないから、細かな違いはわからないけれども、それほど特別な印象はありませんでした。
いざ走り始めて驚かされたのは、さすがモーターというか、なかなかにトルクフルなこと。歩行者や対向車が基本的に居ないこと等、その辺のバスとは周囲の環境も違うため単純比較できませんが、長いトンネルをチンタラ走らずグイグイ行きます。あれ?これはなかなか良いぞ。正直馬鹿にしていた・・・
ダイヤを変えてしまえば、すれ違いなく効率的な運用にできるだろうとは思いましたが、トンネルの中のバスの姿を見ることはできません。わざわざトンネル内ですれ違いイベントが発生するようにしているのかしら。勝手にそう思っているけれども、何はともあれエモい!
直接見るまでは正直舐めていた。無茶苦茶カッコいいですよ。視界に人工物しか無い!だけどもコイツは大自然の中にある!
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「ヒヤッホォォォウ!最高だぜぇぇぇぇ!!」
黒部ダム駅に到着。トンネルを吹き抜ける風が強く、かなり寒いのですが、トンネル内の雰囲気は最高です。高揚します。
許可さえ頂けたら、ここでポートレートなんか撮っても最高にカッコよくなりそう。
トンネルを抜けると黒部ダム。
このスケール感をお伝えするには、100インチ級のディスプレイで物理的にでかいサイズでお見せするしかないと思います。
この手のバカでかい構造物を維持することは大変な労力が伴います。水気も多く、鋼材には環境としても過酷な部類ではなかろうかと。床材のチェッカープレートや手摺の錆も愛おしいですね。ちなみに見るのは良いけれど、ここに乗りたくはない。
たったいま突然人類が滅亡したら、この構造物はどう劣化してゆくのだろうか、どう緑に覆われてゆくのだろうか、などと考えてしまいます。
突然人間が居なくなった東京都内なんかも見てみたくないですか?(廃墟的な意味で)
閑話休題。
展望に上がり、想像以上に黒部は良いなーと写真を撮っていたわけですが、持参した傘が撮影の邪魔だったため、畳んだ状態でその辺りに掛けていたら、
この写真を撮っている間に誰かに持っていかれました。忘れ物として持っていかれたのかもしれませんが。パクられたのか。わからないけれども。バイバイ俺の200円傘。
2時間ほどダムでウロウロした後、復路のバスへ乗り込みます。
相変わらずトルクフル。今回もトンネル内での離合(方言だそうですね)はある模様。少々疲れが出たのか、何もない直線区間で私は車内でウトウトしてしまいました。ここの居眠りは気持ちよかった・・・。
普段運転してばかりなので居眠りはしない人なんですが、運ばれるのは眠くなるんだね。今回は退屈ではなかったんだけども。。。
扇沢に戻ってきました。お疲れ様でした。
しかしながら眠い、などと言っている場合ではありません。少し寝たしね。二日目の宿へ向かいます。
宿というか、プレハブみたいなバンガローだけれども、買い出しに行って、お風呂に入って。肉を焼いて肉を焼いて酒を飲んだりしました。 ガブガブ飲める安酒も良かった。
顔が見えないトリミング、とは少し違いますが、個人的には視線を外したポートレートが好きです。
この夜は日付が変わった頃に就寝。お疲れ様でした。
天気が悪いのも何かの縁。晴天では見ることのできない黒部の表情を見ることができたと思えば。でも長野の星が見えなかったのは残念だ!
本当に良い一日でした。
三日目(September 16, 2018) さわやか攻略戦
さて、もう存分に楽しんだと言いたいところですが、本日が最終日。まだ遊び倒してない。
午前中はゆったりと8時頃に起きたように記憶しています。ダラッと後片付け。そうこうしていたら、10時から予約しているカヤックに遅刻しそうになりました。というか遅刻しました。基本的に常に遅刻。
場所は青木湖。九州出身なもので、あまり湖というやつに馴染みが無かったりするのですが、本州は湖が多いですね!いまだに新鮮に感じます。そして意外と湖は広くて驚きます。
さて、私は人生初のカヤック。フラフラパチャパチャしている同行者たちを笑いながら見ていたのですが、
いやコレ怖いわ。真っ直ぐ進まないし、ドリフトし始めた状態からリカバーしようとすると本当にひっくり返りそうになります。iPhone持ってるので、本当にヒヤヒヤしながら楽しみました。どうにか転覆せずに終了。翌日は腰が筋肉痛になりました。
ちなみにカヤックでは外向きのニーグリップが大切でした。マシンとの一体感はここでも。
さて、再び南へ下ります。途中で木崎湖の脇のYショップに寄りました。
ショップはおねがい☆ツインズ推し(というか聖地らしい。未履修。詳しくない)。色あせたポスターが歴史の重みを物語っていました。結構こういう雰囲気は好き。
ここで自分用のお土産のお酒を買ってみたり、黒部の破砕帯にかけた"ハサイダー"を飲んだりしました。
ここから神奈川に向けて帰ります。が、その前に静岡を通ります。御殿場を通ります。
静岡といえばアレ。そう、さわやか。美味いらしいが、そんなに美味いのか。どれ、どんなもんか儂が見てやろうじゃないか、ということで御殿場店へ寄ってみることに(さわやか通の方には常識なのかもしれませんが、この時点で選択を誤っていることに我々は誰も気づきませんでした)。
長野自動車道、中央自動車道と順調に進み・・・と言いたいところですが、まあ大月JCTで渋滞するらしい。手前の釈迦堂PAで休憩。
途中、天井板落下事故で有名な笹子トンネルも通ります。大学の講義なんかでもよく取り上げられる題材。
ようやく御殿場に着いたのは午後6時。さあ、行ってみようじゃないか"さわやか"へ!
警備員さん「整理券持ってますか?」
でっちう「整理券・・・?????持ってません」
警備員さん「いま店内での待ち時間が5,6時間なんですけど」
でっちう「5,6時間!?」
無理っす。出直してきます。リアルに驚きすぎて大きめの声出た。
聞くと御殿場店は最凶最悪の激戦区とのこと。整理券とやらはそもそも足切りの制度であり、これを持たないものは事実上食べることは不可能。午前中からまずは整理券を確保することが大切だそうで。
そう聞くと燃えるじゃないですか?周囲にはそんなに言うほど美味いものではない、と何度か言われたものの、そういう問題ではない。9割意地ですよ。次こそはさわやかをやっつける、そう誓った我々(俺だけかもしれないとは思った)は、別のお店でハンバーグを食べるのでした。ここもかなり美味しかったです!店内も落ち着いていて過ごしやすい。
さわやかだけがハンバーグじゃない!あまりに長い待ち時間にキレた私はそう思うのでした。でも悔しいから、いつかリベンジしてやりたい。
帰り。ヤのおじさんは再び御殿場でお別れ。クルマ組は東名で東へ。時刻は午後八時。
そう、休日ということもあり、目に見えて混雑します。すげー嫌だけど、帰らねばならない。
途中でONE PIECEやらコナンの主題歌やらを流しながら、歌いながらだったお蔭で、渋滞の中でも楽しく過ごすことができました。なんだかんだで魂に刻まれたメロディーが我々を揺さぶる。
解散し、家に戻ったのは22時半くらいでしょうか。
23時に他の案件で友人と合流する用事があったため、家に到着と同時に車を走らせ迎えに行きました。翌日は4時半起き!夜はパシフィコ横浜でNieR:Orchestra Concert 12018!
うん、まだ若いというか元気だな。人生が楽しい。
総評
今年で最後となるトロリーバス。これは想像以上に良かった。完全な人工空間をトロリーバスが走る。トンネルの向こうに姿が見えたときは感動しました。こんなにカッコいいバスが居たのか!節目の年にこの姿を自分の手で写真として残すことができて幸せです。
また長野の自然も最高でした。そしてまだまだこんなものではないことも想像に難くありません。海が近くに無いのは少し辛いけど、内陸は内陸で絶景ですもんね。神奈川からで往復800-900kmくらい、バイクで行くのに丁度良い距離かと思います。素晴らしいツーリングになることでしょう。
本音を言うと、舐めてかかった黒部。圧倒的スケールの自然の中に、異様なスケールの人工物がありました。あの信じ難いスケールは、一生に一度は全身で受け止めるべきかと思います。Wikipedia曰く、土砂の堆積を考えた場合、2006年から先250年程度はダムとして機能するようですから、我々が死ぬまでに人類が滅ばなければいつでも行けるかと思われますが。
凄まじいスケールでモノを作る人間に感動し、さらにそれを何事もなかったかのように抱き込む自然の偉大さにまた感動し。
日本だって広いじゃないか。
とても素晴らしい旅行でした。
プラス1EVの勇気
こんちは。
でっちうでございます。でっちゅうとも。一人称は気分次第。
ここは主に私の趣味や趣味や趣味や、時々あるのかないのかわからない悩みなどを書く場にしたいなと。基本は独り言ですが、それでも誰かに読んでもらえることは嬉しいことですし、色々な活動へのモチベーションとなれば良いな、などと考えています。
ちなみにブログのタイトルはあまりに思いつかず(仮)状態です。そのうちに気が変わるかも。知らんけど。
まずは、何年ぶりやら知れぬブログ回帰の経緯と最近の心境の変化など。趣味である写真について。
古い話
その昔、10年くらい前の話でしょうか。ブログが流行り始めたかなという時代、自分でもブログを書き殴っていた時期がありました。まだ若かった。結構尖っていた時代というか、何をそんなにキレていたのか、今となっては不思議。その後加齢で多少は刃こぼれしましたが。
高校時代は写真部に所属していました。驚くほどダラダラとした部で、部長として何か苦労した記憶がございません。部員も顧問も好き勝手に活動していて、好きなときに集まって、好きなように活動して帰る、みたいな。部としてのまとまりは皆無。まとめようともしていなかったから楽だったのかも。お堅い教師陣からは白い目で見られていた気がしますが、楽しいものでした。
部活でなくとも、写真が恐ろしい程に楽しい時期でした。とにかく恥も外聞もなく、人目を気にせず撮りまくる。通報されようが知ったことではない。創作に心躍ると結果も出ました、ナントカ文化祭みたいなエリア選抜の大会で最優秀賞、までは行ったっけ。
とにかく人に迷惑さえかけなければ何をしてもOK、という感覚。とにかく撮ることが楽しかった記憶があります。
が、それも長くは続かなかったのです。受験勉強の真似みたいなことをして大学に進学しますが、写真に関しては氷河期に突入します。
冬の時代
大学に進学してからも写真は撮り続けました。継続できているのは楽しいから、でしょうか。然に非ず。
残念ながら楽しくなくても継続はできる。男性の方が生活習慣をroutineにすることを好む、ということはどこかで聴いた話ですが、そのように撮る行為が習慣化し過ぎた大学時代でした。はっきり言って惰性ですよね。
撮りはするものの、どうも気分的に高揚しない"なんか違うなあ"時代は、それはそれは長いものでした。当然、楽しく撮っている時間よりも長い。
当時は、といってもここ10年くらいの話ですが、デジタルカメラの性能が飛躍的に向上し、毎年のように次々と驚愕の性能を持つカメラが発表され、ワクワクした時代だった、という背景があります。毎年のように機材の更新はできないけれども、メキメキと音を立て、デジタルカメラの性能が上がってゆく、撮影できるシーンの限界が上がってゆくさまを眺めるのは楽しいものがありました。
ただ、それでもなんだか自分の写真は面白くない。血が滾らない。何故かわからない。
楽しくない理由は明らかにならないまま学生時代は終わり、モヤモヤした社会人となるのでした。結局、学生時代はずっと冬。
人を愛するのは理屈じゃなかった
社会人になり、すぐに比較的長期の出張の機会がありました。
国内のため生活に不自由はありませんでしたが、当然ながら現地にそれほど友人が多いわけでもなく、ずっと仕事。仕事仕事仕事で現地でコミュニティを広げる時間もなく、辛いものはありました。向き不向きはあるかも知れませんが、少なくとも自分にとって、そんな状況で気の合う人たちと会えなかったのは非常に寂しかった。出張先で旅をするのは楽しかったけれど、どこに行っても基本的に自分一人ってのも、なんだかね。
乗るか、撮るか、しか楽しみはありませんでしたが、そのような状況だったからこそ、趣味に対する向き合い方を見つめ直すことができたとも言えます。
空き時間を見つけては現像作業をし、撮影枚数も激減した中で何とか楽しみを模索する日々、あることに気づきます。
そもそも俺は写真を撮っていないじゃないか、と。撮っていたのは作例だったのです。それも特に誰かに向けて発信しているわけでもなく。誰に向けてレビューしているんだ?と。
近年のデジタルカメラの進歩が凄まじいものがあった、と前述しました。画素数が増えても高感度性能は向上し、暗所でも低ノイズで撮影できるようになり、小型軽量になり、連射の速度は上がり、ストレージの単価も下がりました。他にも数々の技術的進歩がありました。
それ自体は極めて素晴らしいことです。エンジニアとして生きている現在、技術を否定することはできません。現在進行系でその恩恵に与っているわけですし。ただ、当時の自分は新しい機材が出たらレビューを読む・買えたらテストして、驚くだけ。そこで終わってしまっていて、その先がなかったようです。
技術的には正しい姿ではあるけれども、これは写真として・表現として、自分の写真に対する向き合い方が変化し、勝手におかしな方向に向かったきっかけであったように思います。撮れるシーンを広げるための技術の進化を試すことがいつの間にかメインとなってしまい、記録にシフトし過ぎたように感じています。これに気付くのに数年かかったわけです。今まで一体何をしてきたの?という感じ。
ただ、この冬の時代に撮った写真も、全部ダメダメとは言い難い。テクニックとまでは言いませんが、小技は着実に身についていました。前述の通りテストすることや小綺麗にまとめることしか考えていないから、面白くはないけれども雰囲気はあったり。
数字に踊らされた悲しき理系の姿がそこにあったのですね。要は人を愛するのは理屈じゃなかった、と気付くまでに30年かかったような(?)。
変なこと言っているようですが、理屈ばっかりだと楽しくなくなる、たぶんこれは間違っていない。
プラス1EVの勇気
と、まあ、何故か出張先で、趣味に血が滾らなかった理由に気づきました。
出張から戻り、時間が増えたタイミングで、写真趣味に対する向き合い方を変えることにしました。作例ではなく表現ならば、格好悪くて、泥臭くて良いじゃないかと。これできっと趣味は楽しくなるだろうと。
先日、仲の良い友人らと静岡・長野・富山と旅行に行ってきたのですが、今回からは何かを変えようということで、出発する前に一つだけ自分で決意したことがありました。
「今回は彼ら彼女らとの距離をとにかく詰めて撮りまくる、躊躇わない、そして画質は気にしない」ということです。だから、いつでもどこでも写真が撮れる状態で過ごし、まずはカメラを構えた位置から更に一歩前に出て、距離を詰めてみました。
被写体が人間であれば、距離が近いほどに、撮るという行為はインタラクティブで、会話を含めたコミュニケーションになる。だから心理的な距離が近いことは最大限に活かしたい。今回彼らの良い表情を引き出すのは俺じゃ!というわけで張り切って撮りました。
いざ撮り始めると、数年ほど機材テストがメインになっていたせいで、暗所での撮影がメインになっており、体内露出計が狂っていることに気が付きました。放って置くと暗めの露出をしてしまうんですね。ということで今回の旅行では、ちょっと明るすぎるんじゃないか?と感じる露出を心がけました。明るくすれば良いというものではないのですが、彼らの表情を明るく楽しげに描くには最適だったし、それ自体が自分にとっては光に溢れた演出が新鮮で、楽しむことができました。「楽しい」は大切です。ノッているときは出来上がりも違います。。
白飛びに限らず黒つぶれ、ノイズもそうですが、避けるべき存在を活かすことも考えて良いだろう、と思うことができるようになりました。
本来であれば当然の話ですが、表現したいものが先にあって、その手段としての写真がある。少し気付くのは遅くなりましたが、良い転機となると考えています。雰囲気だけの写真も悪くはないけれど、徐々に芯のある写真を増やしてゆきたいと考えています。
初回ということで振り返りも含めた結果、かなり感情グイグイめなエントリーとなりましたが、 普段はもうちょっと淡々とやっていきます。たぶん。どちらかというと、揺さぶりたいのは写真を見る側の感情ですよね。
良い発信の場になりますように!