Ultra High Resolution Film Scannerを自作する
何でもかんでもハイレゾって付ければ良いと思ってんじゃねーぞ!
おはこんばんちは。
でっちうでございます。
今回はハイテクです。嘘です。
熱海旅行
最近、色々あって熱海に行ってまいりました。基本的に自分の足で動きたがるワタクシ、非常に運ばれることが苦手であります。公共交通機関が苦手。つまり旅行といえばニアリーイコールでクルマやバイクの運転なのですが、今回の目的地は熱海。
クルマで行くと混むし、温泉入りに行くようなもんだし、たまにはダラダラしてみようということで鉄道旅となりました。しかも鈍行です!割り切れば楽しいものよー。
鉄道旅の何が良いって、昼間からお酒飲めることね。ずっと飲んでました。
他にも今回はポイントがありまして、奇特な同行者どもが出発前に「写ルンです」を買うんだと言うので、横浜のヨドバシカメラへ向かいました。強制的にワタシも買わされました。デジカメ首からぶら下げているのは言い訳にならないそうで。
でまあ、出発。
旅行中、メインはEOS 6Dでバシャバシャ撮るのですが、写ルンですの「何撮ってんのかワカラン感」がハラハラして、これが結構面白い。アナログの良さ全開です。写ルンですなんて使うの小学校だか中学校だかの修学旅行ぶりでは・・・?
ともあれ、
あ、やはり銀塩もいいねー
というわけで、今回は撮った後処理として、フィルムスキャナを自作(?)します。旅行の話は寄り道です。
(※余談ですが、私はせっかく撮った写ルンですを帰りに本体ごと紛失しました。誰か拾ったら現像してみてね)
本題
フィルムスキャナというと、スライドをセットしてスキャンするアレです。
あんまり馴染みが無いし自分で所有したことはないけれども、割と値が張ることは知っていたりします。普通に万単位ですし、それなりに良いものを買わないと画質も大したことない、なんてことも耳にしたことがあるような。昔の話かもしれないけど。
私は紛失したけど同行者たちの撮ったネガは残っているし、以前自分で撮ったポジも手元にある。現像に出したついでにデータとして受け取るのは性に合わない・・・どうにか自分の手でデータ化できたら良いのだが、と考えます。だって男の子だもん。
あとは自分で画質を調整できるかどうか、ですね。自動調節は楽だし量産には向くけれども、趣味だから時間かかっても良い、ということ。
ところで最近、ちょっとした遊びで色彩性格診断なるものをやってみました。結果がこちら。
パワー系でした。
そういうわけで、実は数ヶ月前に買ったものの使っていなかったパワー系ソリューションが手元にあったのです。ご紹介しましょう。
日本光學工業株式會社様って昔からこの手のミョウチクリンな機材が多くて、良いです。
我らがナイコン。
要はスライドをマウントするただの金属の筒です。マクロレンズの先にフィルムをマウントして、直で等倍撮影してやったらコピーできるじゃん?という発送。これをデジタルに転用します。先人は多数いらっしゃる模様。
スキャナは買ってしまえば性能は決まってしまうけど、コイツなら限界はカメラとレンズが決めてくれます。何よりもRAWで撮影できるおまけ付き。ここが一番重要で、フィルムスキャナが自動で画質調整してくれるのは楽だけど、レタッチする環境は整っているし、要は自分でやりたいわけです。
マウントしてみた。
横から見るとわかりますが、レンズ側が雄ネジです。つまりコイツをレンズの先っちょに捩じ込みます。径は52mm。内外筒がスライドし全長を調節できます。
当然マイクロニッコールレンズでの使用が想定されているわけですが、生憎ワタシはキヤノンユーザー。手持ちの等倍マクロレンズはEF100mm F2.8 ISしかありません。100マクロはフィルター径67mmです。またインナーフォーカスということで、レンズ先端が伸びず、このまま撮影してもスライドコピーアダプタのマウント部に隙間ができてしまいます。無理やり撮れないこともないけれど、これでは平行度も何もあったものではなく。そもそもこのアダプタを買った意味すらなくなるわけでして。
じゃあどうにかレンズ先端伸ばしたろ、というわけで、フードとステップダウンリングを購入。
一旦67mmから77mmに拡大した後、52mmになるまで徐々に絞ります。
見た目いい感じ!
Ultra High Resolution Film Scanner ver.1.0.6の完成です。いざ撮影!
ダメでした
ほんと全然ダメ。
全くピントが来ず。つまり、まだ最短撮影距離に足りない・・・もう少し伸ばす必要がありそうですが、このダメさ加減に気付いたのは12月8日の0時半。さすがにヨドバシは開いてねえし、電車無いし、お酒飲んじゃったし色々アウト。とりあえず手元にある何かで伸長できないかと1分ほど悩みました。
そこで見つけた救世主。
このメタルフードが(無理矢理)使えそうです。ナイコン先生!
余談ですがこのレンズ(nikkor Ai-S 50/1.2)、開放では鬼のように合焦が難しい上、画もフワッフワですが、f/2.0から指数関数的に化けます。SIGMAの50 artを買っても、こんなピーキーさは味わうことができません。開放の柔らかな描写は非常に心地よく、絞れば化ける。手放す気になれない、お気に入りの一本です。比較的安いし、f/1.2って響きも特別感があってすごく良いですね。とにかく人間臭いというか、人間に向けたくなるレンズです。何より格好良いのだ!
閑話休題。
フードで無理矢理延長する件。
どうも採用したフード内側面は67のステップダウンリングが食ってくれそうだということで。(正しい用法だとは思えません)
とりあえず着いた。(着けた)
とはいえ、無理やり着けたHS-12のレンズ側径は52、対してキヤノンの100マクロに着けたメタルフードは72mm。どう考えても機械的に噛んでくれません。
こうなれば養生テープの出番。
ついた!
精度はともかくUltra High Resolution Film Scanner ver.1.0.6 2nd Edition完成。改良の余地しかありませんが、とりあえず使えそうです。ちなみにAPS-C機で使用する際には実際の画角が狭くなるため、これではスライドの全体像を撮影することができません。まだまだ余計に伸ばす必要があります。
完成試写会
このときはプロビア100Fで撮ってました。愛媛にて。
↑このフィルム巻き上げミスって露光しちゃった感じに趣を感じてください
色合いが非常に人間の感覚にマッチしているというか、安心感があります。
ハイライトも死ぬほど粘るしダイナミックレンジの暴力みたいな。ベルビア100で撮ったものも発掘されたので、こいつもスキャンしてあげないと・・・
熱海編のネガはまだスキャンしていません。ネガの反転作業もその内やってみましょう。
しーゆーあげいん。